伸び率はバブル期以来
日本経団連の調査によると、今年の東証一部上場企業(76社)の年末賞与は前年比プラス5.8%と、バブル期以来の伸び率となると見込まれています。夏季賞与に関する同調査でも前年比プラス5.0%の伸び率でした。
伸びている業種は「複合サービス業」や「情報通信業」などで、「製造業」はほぼ横ばい、「電気・ガス業」では大きく落ち込んでおり、産業によって異なる様相を呈しています。
中小企業の賞与はどうなる?
中小企業においても賞与の支給は増える
見込みで、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の調査によれば、支給労働者数は3,889万人で前年比プラス0.7%となる見通しです。
民間企業の1人当たり平均支給額は36万7,500円で、前年比プラス0.5%と伸びており、支給労働者数の伸びと相まって支給総額が増加することが見込まれており、14.3兆円(前年比プラス1.2%)となっています。
別の調査では伸び率は低いとの調査結果も
厚生労働省が発表している「毎月勤労統計調査」によれば、常用雇用者数5名以上の事業所における今年の夏季賞与は、3年ぶりの増加となったものの前年比プラス0.3%で、経団連の調査結果よりも増加幅が小幅になっています。
これは、500人以上の大規模事業所では前年比プラス2.6%と大きく増加したものの、小規模事業所ではマイナスとなったところもあったことによります。
また、経団連の調査対象企業には「医療・福祉」や「飲食サービス業」といった、近年雇用者数が伸びている業種が含まれておらず、さらに、これらの業種では賞与が少ないケースが多いため、調査結果に現れた賞与額を引き下げる方向に働いたことが考えられます。
調査によって異なる結果となっていますが、いずれにおいても、業績が緩やかに改善していることが読み取れるため、今冬の賞与は夏季賞与よりも伸び率が大きくなる可能性もあります。